2018.06.26
医療事故は思ったより身近に、頻繁に起こっています。診断ミスから手術中のミス、間違った薬の処方などその種類は様々で、患者の健康と生命に致命的な影響をもたらします。今回は日本とイギリスの医療事故に関して見てみましょう。
日本
厚生労働省によると日本で医療事故と認められるのは医療に関わる場所で医療の全過程において発生するすべての人身事故であるそうです。これはつまり私たちが一般的に考える医療事故はもちろん、病院の廊下で転んで骨折をした場合や、なにかしらの結果として医療人自体に人身的被害が起こった場合も医療事故とされるという事です。
医療事故発生頻度・例
2016年の時点で日本医療機能評価機構の発表によると2015年の一年間で発生した医療事故は約3600件であり、そのうち死亡事件はおよそ300件に至ったそうです(日本経済新聞参考)。今年に入ってニュースで報道された医療事故の中には名古屋大学医学部付属病院の患者さんが投薬ミスによって深刻な後遺障害を受けた例があります。これは投薬による副作用の疑いがあるにも関わらず投薬を続けた医師の間違った判断のよって発生した事件で、患者は後遺障害として正常的に歩けなくなったとのことです(ヨミドクター参考)。
このような様々な医療事故に対応するべく、日本には医療事故被害者が弁護士の力を借りることの出来る医療事故情報センターや医療事故防止に関わる活動をする日本医療安全調査機構などが存在します。
イギリス
イギリスでは医療事故や不十分な医療施設などが大きな問題となっています。イギリスの政府が行った研究によると、NHS(イギリス国民保険サービス)が関連する死亡に至る医療事故は年間22000件を上回っているとの事です(Matthews, 2018)。これらは間違った投薬や薬の処方、GP(個人のドクター)と病院の不十分なコミュニケーションなどが原因だとされています。
医療事故発生頻度・例
今年ニュースで報道された医療事件のうち最もショッキングだったものの一つがインフルエンザで死亡した大学生の事件です。12月ごろにインフルエンザの症状を訴えていた彼女はNHSから「病院訪問は避け、家で休めば大丈夫」との指示から病院に行かず、一か月後に死亡したとのことです。病院訪問は避けろというのは病院内での感染が広がることを防止するために出した指示だそうです。
イギリスでは現在このような医療事故に対する関心が高まっており、防止するための方法が考えられてるとの事です。
参考:
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28HA7_Y6A320C1000000/
ヨミドクター:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180604-OYTET50019/
Matthews, A. (2018). NHS medication errors contribute to as many as 22,000 deaths a year, major report shows. INDEPENDENT, Available on: https://www.independent.co.uk/news/health/nhs-medication-errors-deaths-prescription-drugs-jeremy-hunt-york-university-health-a8224226.html
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