2018.01.11
冠詞は英語の文章で頻繁に使われるものです。英語の文章に冠詞が存在しないと不自然な印象を持たせてしまうことがしばしばあります。今日は冠詞の正確な意味と翻訳との関係を探ってみたいと思います。
基本的に冠詞には a, an theと言った三つのものが存在します。(全て名詞の前につけます。)その中でもа,аnは不定冠詞、theは定冠詞と呼ばれます。
不定冠詞 а, аn
母音の前では(a,e,i,o,u) an、 子音の前にはaを使うのが決まりです。‘不定’といった表現からも悟れますが、不定冠詞は確定した一つの名詞を特定できない場合に使われます。
例)a building 正確にどの建物か特定不可能。どの建物でも良い。
an umbrella 同じく、どの傘か特定不可能。どの傘でも良い。
不定冠詞はまた英語では‘ある程度の’、‘一つの’といったニュアンスを含みますが強調が比較的弱いため日本では翻訳されない場合が多いと言えます。韓国語でも同じく翻訳される場合は少ないです。
定冠詞 The
‘定’といった漢字からも悟れますが、定冠詞は特定の何かを表す時に使われます。(名詞の前につきます。)日本語では主に ‘この、その、あの’を使って翻訳されます。
例)I saw the movie. 特定された映画を見たことになります。この時翻訳は‘私はその映画を見ました。’が適切になります。つまりここでTheは Thatと同じ意味を持つ事になります。
The sofa is very soft. 特定されたソファーを表します。この時翻訳は‘このソファーはとても軟らかい。’が自然です。つまりここでTheは Thisと同じ意味を持つ事になります。
The girl standing over there. 特定された女の子を表します。この時翻訳は‘そこに立っているあの女の子’が適切になります。つまりここでTheは Thatと同じ意味を持つ事になります。
不思議な事に、定冠詞が名詞の後ろにつく国もあります。そのような冠詞は‘後置定冠詞’と言います。後置定冠詞が存在する国の例としてブルガリアとルーマニアがあげられます。ブルガリア語と英語の文章の中の定冠詞にそれぞれ記しをつけると、
英語 The apple.
ブルガリア語 Ябълката.
といった形になります。
また、英語では冠詞によって形容詞が名詞化される場合もあります。
それは定冠詞+形容詞の語順で行われます。
例)The poor. 翻訳)貧乏な人、貧乏な人々。
The rich. 金持ち名人、裕福な人々。
The elderly. 年老いた人、老人たち。
The unknown. 未知のもの。
他にも定冠詞は色々な用度があります。例えば定冠詞+名字は(名字)一家を表す場合があります。
例)Тhe Watson’s.
The Simpsons.
Watson達や Simpson達ではなく、Watson一家、Simpson一家と翻訳します。ブルガリア語にも名字のあとに母音で終わる場合は-ви (-vi), 子音で終わる場合にはски(-ski)をつけて一家を表す表現方法があります。
まとめ
日本語や韓国語ではほとんど翻訳されない不定冠詞である‘a,an’に比べ、定冠詞の‘the’は英語でもたくさんの役割がある文、たくさんの翻訳方法が存在する事が分かりました。定冠詞は翻訳時に‘この’と‘その’と‘あの’のどちらに当てはまるのかを文章の脈略で判断する事がポイントとなります(どちらでも良い場合もあります。)。その他にも定冠詞は上記の形容詞の名詞化、一家を表す他にもいくつかの地名を表記する時に使われます(例:The United States)。これらもまた脈略を良く考慮して翻訳しなくてはなりません。
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