2018.02.12
翻訳にあって誤訳は比較的起こりやすいものであり、翻訳者であれば誰もが一度は経験するものとも言えます。
誤訳は文法自体の誤訳、または文法のニュアンスを間違った方法で解釈するために生じる誤訳が存在し、いずれにしても正確な意味の伝達に大きな影響を与えます。
誤訳は、文学や技術分野よりも人文科学の領域で発生しやすい傾向があります。
これは、文法の違いだけでなく、翻訳者の母語圏と翻訳先の文化的背景の差異も影響しているためです。
誤訳が多い代表的な例として、複雑な物語構成を持つ『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』が挙げられます。
特に『ハリー・ポッター』の韓国語版では、各巻を異なる翻訳者が担当しており、その中には英語に堪能な翻訳者もいれば、韓国語に堪能な翻訳者もいるため、翻訳の質にばらつきがあると指摘されています。
一般的に本の翻訳だけでなく映画の字幕を書くことも誤訳が生じやすいと考えられています。
映画の字幕は視聴者が分かりやすいように決められた時間にできるだけ簡潔で正確な翻訳文を表示しなくてはなりません。そのため登場人物の台詞が長い場合は意味を大幅に省略したり、直訳するとニュアンスが変わってしまうものは全く違った言葉を使用したりもします。
「ロード・オブ・ザ・リング」は、物語自体が一人の作家から描かれているとは信じがたいほど複雑でまるで聖書のようだとの評価があります。映画化される時、映画自体が内容からはじめ比較的台詞もたくさんカットされているため、いくらかの背景知識がないと物語全体の意味を変えてしまう誤訳につながると言えます。
実際に「ロード・オブ・ザ・リング」の日本語版字幕を担当された方も満足な翻訳を得るために長い時間の研究を重ねられたそうです。
上に述べたように文学に関わる誤訳も多いですが、誤訳による歴史的なハプニングも多く、その中の一つは2009年度に一度ヒラリークリントン氏がロシアを訪問した時に発生しました。
ヒラリー氏は両国が協調関係を築くことに記念すべく「リセットボタン」の模型を、当時ロシア外務大臣のセルゲイ・ラブロフ氏と一緒に押すことになっていました。この時翻訳者の方が「リセット」を間違えて「(人・機械の)過度の負担、荷が重い」と翻訳してしまったため、その場で微妙な空気がながれたと言います。
また、他の例として、貿易日米交渉で生じた誤訳もあります。
交渉中に日本側が「善処します」といった表現を使用したのですが、これが英語で「I will take care of it」と翻訳されたのです。
もともとの意味の「適切に処置する」と言うニュアンスが積極的に対策をとるといった形に変わってしまい交渉に否定的な要素をもたらしたと言われています。このように些細なニュアンスの翻訳ミスが国際関係までもに悪影響をもたらしてしまうことが分かります。
翻訳をする際文化の違い、文法の違いやニュアンスなど翻訳は注意しなくてはならない要素がたくさんあります。
私たち「たまご翻訳」は、各分野の専門知識を持つ翻訳者が徹底的なリサーチと準備を行い、文化や文脈を考慮した正確な翻訳を提供しています。
ビジネス文書、契約書、マーケティング資料、文学作品など、あらゆる翻訳ニーズに対応し、自然で伝わりやすい表現を追求します。
まずはお気軽にご相談ください。
Copyright © 2017
Tamago Translation | All Rights Reserved.